サイボウズ Office移行先として、VPSサービスのディスクIO速度を比較しました

Linux

みなさまこんにちは、ウチイダユウゴです!

最近、といっても3月のことなんですが…(;´・ω・)
お仕事で必要になって、いくつかのVPSサービスのディスクIOを調べました。

またそのうち同じような調査をする予感がしますので、そのメモを残したいと思います。

調べた内容と結果

ウチイダが触れたことのある3つのVPSサービス(AWS, さくらのVPS, ConoHa VPS)について、
ディスクIOを簡易的に調査してみました。

結果の概要は、こちらのスプレッドシートにまとめました。

詳しい結果は、記事の後半に掲載します。

結論から言うと、ConoHaがすごい早い!です。
高速SSDと謳っているだけありますね~😎

ConoHa 公式サイトより引用。超高速は伊達じゃない!

AWSとさくらは、契約プランごとにディスクIOの上限値があるっぽい…
結果を見ると、速度キャップに抑え込まれているような感じがしますね。

2020.05.25追記:
さくらのVPSさんのFAQページに、ちゃんと書いてありました。
ディスク読込速度は、調査結果通りの200MBでしたね。

ディスクへのIOPS(1秒あたりのI/O数)やデータ転送帯域などの制限はありますか?:
https://manual.sakura.ad.jp/cloud/support/technical/storage.html

いきさつ①:オンプレ→VPSへの移行の失敗…

これまで、自社用にオンプレサーバでサイボウズ Officeを運用していまして。

この3月でサーバのリプレース時期が来たことを機に、オンプレからクラウドVPSに切り替えることになりました。
サーバの選定から搬入・セットアップとか、大仕事になってしまうので。。。

検討の結果、さくらのVPSの8Gプランに乗せ換えることにしたのですけど、データを移行して運用してみたら、びっくりするほど「102エラー」というのがでるんです。

悪夢の102エラー

DBのメモリ上限を変えてみたり、不要なサービスを止めてみたりしたものの、改善は見られず。

これじゃ仕事にならないと社内で大騒ぎになり、しばらくオンプレサーバで継続して運用することになりました(´;ω;`)

いきさつ②:エラーはディスクIO速度が原因のよう

サーバのsarログとかいろいろ見てみた結果、
ディスクIOの速度がボトルネックになっているらしいという結論に至りました。

詳しくはまた別の記事にまとめたいと思いますが、
どうやらサイボウズOfficeのデータベースからのレスポンスが遅くてエラーになっているようなんですね。

サイボウズ Officeでデータの登録、検索、および削除などの処理をしている時、データベースにロックがかかります。
処理を完了すると、ロックが解除されます。

次のような操作をした時、処理に時間がかかって、データベースがロックされる時間も長くなります。

 ・容量の大きいファイルをアップロードまたはダウンロードする
 ・容量の大きいメールを送受信する
 ・大量のデータを検索または一括削除する

このような操作をしている最中に、該当のデータベースにアクセスし、一定時間(10秒)内にロックが解除されなかった場合、あとからアクセスしたユーザーのサイボウズ Office画面に「エラー番号:102」が表示されます。

よくあるご質問 – サイボウズOffice 10 より引用

サイボウズ Officeはodbx形式のファイルをサーバ上に保持していて、これにデータの蓄積しているみたいです。
SQLなどのDBシステムを使っているわけじゃないんですね。

システム内の検索のたびにファイルを読み込みしてたら、そりゃディスクIOの速度がもろに影響しますわ…(;^ω^)

クラウドVPSでサイボウズ Office運用は無理なのか?ディスクIOを比較する

とはいえ、せっかくなのでクラウドVPS環境に移行したい!
いまからサーバの買い替えをするのもつらいので、もうちょっと詳しく検証をすることに。

まずはさくらインターネットさんにも問い合わせしてみました。
…のですけど、契約内容を変えてもディスクIOの速度はあまり改善しないだろうとのことでした。(´;ω;`)

一応、検証環境として8G/SSDプランを利用させてもらえることになりました。
さくらインターネットさん、いつも融通利かせてくれて本当にありがとうございます。。。

ちなみに、さくらの専用サーバへの移行もご提案いただいたんですけど…
費用面で無理でした、すみません(笑)

ディスクIOを比較する

ついでに別の案件で利用しているAWSとConoHa VPSへの移行も検討しよう!ということで、
それぞれのサービスでディスクIOの調査をしてみることに。

検証環境と調査方法

各サービスのいくつかのプランでCentOS 7.7環境を作成し、下記のコマンドを実行します。

①ディスク読込み速度の計測

[root@vps-name ~]# hdparm -t /dev/(ディスク名称)

②キャッシュ読込み速度の確認

[root@vps-name ~]# hdparm -T /dev/(ディスク名称)

③ディスク書き込み速度の確認

[root@vps-name ~]#dd if=/dev/zero of=/tmp.data bs=1M count=3000 oflag=direct

これをそれぞれ5回ずつ実行した平均値で、ディスクIOの性能を簡易的に調査しました。

結果:ConoHaがめちゃ早かった

その結果が、記事上部にも掲載したこちらです。

キャッシュ読込はあまり差がつきませんでしたが、全体的に見てConoHaが圧倒的!と言える結果でした。

っていうか、t2のキャッシュ読込みの速さはいったい…??

HDDを利用していた現用中のオンプレサーバも同じテストを行ってみたのですが、読み込みが332MB/sec、書き込みが210MB/secでした。

現用環境より、ずっとはやい!!

ConoHaのVPSを利用すれば、少なくともディスクIOについては心配しなくてよさそうです。

まとめ:比較は大事、ていうか事前検証がすごく大事。そしてConoHaはとてもおすすめです

というわけで、いつも懇意にしていただいてるさくらインターネットさんには申し訳なかったのですが、自社のサイボウズ Officeの移行先はConoHaの8GBプランに決定しました。

リプレース作業の不手際で社内を無駄に騒がせてしまったので、自戒の念も込めて情報をブログに掲載しておくことにしました。

あらかじめさくらのVPSの性能テストをちゃんとやっておけばよかった😥
切替え前に負荷テストちゃんとやっておけばよかった😥😥

後悔先に立たずというやつです。

ちなみに、ConoHa移行後も微妙にレスポンス遅かったりして、いろいろ対応したのですが、その話は別に機会に…

ディスクIOに負荷がかかりそうなものを使うなら、ConoHaのVPSを検討してみてください。
(いつもお世話になってます!😊)

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました(/・ω・)/

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